ディミニッシュセブンス(dim7)ギターコードの弾き方
先日の記事「ギター de キヨシコノヨル」のコード進行にも出てくるディミニッシュセブンスコード (dim7)についてまだ一度も解説していなかった事に気づきましたのでさっそく分かりやすくまとめます苦笑。一見難しそうなコードネームですが要点を知ればギタリストにとってはむしろイージーな課題ですのでこの機会にぜひ把握しましょう。
ディミニッシュ(セブンス)とは
英語「Diminish」は「減少する」意ですが、音楽においては根音から短三度(音程1音半)ずつ重ねたコードで、「dim」のみ表記され「7」がつかない場合でも一般的には
- 減7度(長6度)
- 減5度(増4度)
- 短3度
- ルート
の4和音(あるいは音階)を指します。別名ハーフディミニッシュとも呼ばれる「m7♭5」との違いは「短七度」が「減七度」になる点。譜面的にはダブルフラットですので、異名同音である「長六度」とは理論的には区別されます。
使い方
移調時の繋ぎや、全音階ダイアトニックコード間に挿んでドラマチックかつ滑らかに上昇させる等の使い方が多いです。
表記に関して
例えばCディミニッシュセブンスを「Cdim7」ではなく「C○」と省略して書き表す慣例もあり、対して「m7♭5」は丸に縦線を足した「CФ」と記される事があります。が、個人的には視認性が良くないのでスペースに余裕がない場合のみ仕方なく省略記述する感じです。コードネームに小さい「〇」と書かれていてもキョトン?しないように笑。
ギター指板での押さえ方
ギターコードフォームは次の2種だけ知っていれば概ね事足りると言っても過言ではないです。
「b」表記は「♭」の代替です。セブンスのダブルフラット(減七度)は指板的には六度(テンションノートで言う13th)位置で、オクターブは完全8及び16度と記載しています。実際の4弦ルートの押さえ方はこんな感じ。
ギターネックを握り込むロックグリップに近い形で、人差指の頭や側面で5弦を、親指の腹で6弦をミュートすれば強めのストロークも十分可能です。で6弦ルートのフォームはフルコードで押さえるとこうなります。
6弦(及び4・1弦)根音時はルート音が3種、かつ「減5度」が5弦のみなので、省略する場合は人差指セーハをやめ、5~2弦の4本を押さえる感じ。5弦から順に言えば「中・薬・人・小」指で、トップのdim7表紙画像が押さえ方です。
そして、ここからが dim7 をギターで弾く最大の利点です!
冒頭「短三度ずつ重ねた和音」と説明しましたが、其々の構成音インターバルが均等に短三度差という事は、同じコードフォームのまま
3フレット(1音半)ずらしても転回形コードになる
という事です!先述のダイアグラムでは便宜的に4弦6弦ルートとして紹介しましたが、実は根音が含まれてさえいればそれがどの弦どのポジションに配置されていようがコードトーンの重なり方が転回するだけで実際鳴る構成音は変わらないので、例えば1コード内で3フレットや6フレット移動し動きや表情を出したり、6弦ルート型で6弦根音だとルート音が2オクターブ3つも鳴るので、3フレット下で減7度を強調したりといった応用も可能です。
つまり、ディミニッシュセブンスコードの転回形を同種の和音とみなせば、構成音の組み合わせとしては半音階差の3種類しか存在しないのです。もはや、目をつぶって弾いても
三回に一回はマグレ当たりします喜
ギターって素敵な楽器ですね照。ちなみにぼくが初見等ノープランでよく弾くdim7は上記の型の
- 4弦ルート型の1弦根音 ver.
- 6弦ルート型の5弦根音で6弦消音 ver.
です。使い分けは響きと前後フレーズの流れでチョイス。ボイシングも良いバランスだしたぶんこう弾くギタリストめっちゃ多いと思う。そんなことでとりあえずこの2種だけでも覚えて帰ってください。…いや、もうなんなら
どっちかいっこだけでもなんとかなりますけどね笑
コード進行で「dim7」が出てきても有耶無耶にやり過ごさず綺麗に正しく弾こう!
補足ですが、通称ハーフディミニッシュ
m7♭5コードの押さえ方
ギター指板図解もご参考に載せておきます。ちなみに「m7♭5」を「m7-5」と記述するケースもありますのでご承知置きを。
ディミニッシュと聞くとなんか美味しそうに感じる@NAC♯Guitar