Jaguar&Jazzmaster パーツ補完計画


ウイルスが猛威を振るう最中、働きもせず自宅でまったり過ごす時間が大幅に増えたので笑、ギターの総合メンテナンスや実装テストをじっくり実施しております。試しに普段と違う太さやメーカーの弦を張って弾き心地や音質を確認してみたり。

そんな折、発注していたFenderジャガーとジャズマスターのパーツ等も届き、あれこれ検証してみましたので記録です。




人間と同じく、あらゆる全ての面で非の打ちどころがない完全無欠なギターなど在り得ないわけです。広義で言ういわゆるウィークポイントは往々にして相対的であり、同時に個性を醸すチャームポイントにも成り得るので、そんなバリエーション様々ある色々な個性から各々ベストチョイスすればいい話。例えば、曲調やフレーズで欲しいギターの音色や特性は当然変わりますよね。極端に言えば「ここはエレキじゃなくてアコギが良い」とか。ピックアップにしても、フロントシングル&リアハム搭載はあっても抜けの良いリアで拾うシングルとハムは物理的に両立できない(※個人的にはコイルタップのシングルはなんかぺらぺらで好きじゃないので)とか当たり前の事。

みんな違ってみんな良い、みたいなやつ笑。

けれど、そんなマスマーケティング的既成バランスをより自分の理想やイメージに少しだけ近づけるっていう意味でのフィッティングは無しじゃないんじゃない?と。なんつうか、「黒を白くする」のは大変だけど「赤を紫にする」くらいは自分色に染める範疇足り得るのではと。

さて前置きくそ長くなりましたが、そんな現状の自分のスタイルやニーズに少し寄り添っていただくべく両機の補完計画を実施してみようと思います。


フェンダーのジャガーとジャズマスター



ジャガー (HH)

玄人向けギターの代名詞笑?でとかく扱いが難しいとされがちなジャガーですがぼくはいま一番弾いてます。22フレットのショートスケール(24インチ:オクターブ約305mm)でハイポジションは若干窮屈ですがネックも細めで手の馴染み良くローポジションは逆にとても楽ちん。この機種はP/Uが専用HHでしかもチューンオーマチック&テイルピースのスペシャル仕様なので一般的なヴィンテージ系ルックなJAGUARではないですが、専用ハムバッカーのローノイズな出力もパワーも十分。なにより、曲中アレンジで刻々変わるバンドサウンドの厚みに応じて場面でオンオフできる使い勝手と塩梅が絶妙にいい唯一無二の「ローカット回路」がめちゃくちゃ優秀で使える。手元のワンタッチで極端に音質は変えずロー帯域をほんの少しだけ削れるので、ちゃきちゃきしたカッティングどはまりはもちろん、歪みの音像感も気軽に瞬時にチョイスできます。

が、

Sスケール故に、コードにしろ単音にしろやはり「サステイン不足」は否めません。TOMブリッジなのでジャガーあるあるの弦落ちの心配もないし弦テンション不足もさして気にならないのですが、クリーントーンで全音符などフレーズによっては「うお減衰早っ!頑張れ~汗」なります苦笑。

で、

ネックジョイントプレート

今回この鳴りの部分を少しでも補完するべく初めて試してみたのが今や定番のネックジョイントプレート Freedom Custom Guitar Research の Tone Shift Plate。ボディとネックの振動効率を上げるとか?剛性を高めサステインが伸びるとか?。


トーンシフトネックプレート

効果

ハイ~ミッド~ロウの音色バランスは極力変えたくないので2mm(薄型)タイプをチョイス。取り換えてみた感想は…「気持ち全体の生音量が上がってサステインも伸びた…の(?_?)か」て感じ。思い込みのプラシーボ効果かもくらいの微々たる程度ですが、少なくとも悪化は絶対にしてないのでひとまずこれでいいや♪です。



ジャズマスター (SS)

で、そんなジャガーとは少し違う、もう少し生鳴り重視というか幅広いニュアンスを求めて導入したのが、21フレットロングスケール(25.5インチ:オクターブ324mm)のJAZZMASTER。通常のシングルよりコイルを大きく多く巻いた高出力の専用ラージサイズシングルピックアップも相まってクリーントーンの発音から太くて豊か。こちらもクラシカルなベーシックねじねじサドルブリッジではなく標準装備でブラス製ムスタングブリッジ搭載機なので弦落ち不安のストレス皆無。

んが、

深いテールエンドの位置と浅い進入角度のせいで「特有の弦テンションの緩さ」と、よく言われる「ブリッジ~テイルピース間の共鳴」はある。むしろそれがこの機種の味だし基本は気持ち良い風に作用するんだけれど、シーンによっては「じゃら~ん」というか「ひゃあ~ん」とかいう共振音が過剰に目立ってしまう事も。

んで、

バズストップバー

こちらもフローティングトレモロカスタムのド定番パーツですが、Montreux Buzz Stop Bar を試しに取り付けてみるだ。


バズストップバー取り付け

効果

トレモロアームの付け根傍のローラー棒状のものがバズストップバー。既存のネジに挟み込むだけの簡単装着なので一切無加工でお手軽に取り付けられます。今回の主な意図は弦落ち対策ではなく共鳴抑制なわけですが、「弦張力は若干上がり共鳴も見事に激減」した次第です。

…が…どうだろう?ほぼほぼ共振しなくなって、一気にジャズマスターじゃなくなった感じもしてしまう。なんか良くも悪くも普通の味のギターに笑。そもそも弦の張力はべつにどっちでもいいやって感じなので全く気にならないんだけど、仮に独特のチャームポイントまでスポイルされてしまうとすれば不本意なんだわ。

あとは、トレモロの滑らかさとチューニングの安定度が若干落ちた気がするのと、バーと弦が邪魔でサドルのオクターブ調整ネジが回せなくなっちゃうので、ブリッジ自体をひっくり返し逆向き(ネジ頭がヘッド側)に乗せて対処。

…んー…確かに効果てきめんていうか、効きすぎつうか、もしかしてこれは総合的には無くてもいいかもしんない苦笑。めっちゃ素直で良い子だった中学生男子が高校生になった期にグレて一気呵成にトップオブヤンキーになっちゃったみたいな。あるいは逆。こんな一気にキャラ変されると戸惑い覚えるわ。

中間ねえかな笑。

悩むのでちょっと長期テスト様子見で。ちなみに、白パールのピックガード換装はプリセットスイッチがトグル式なので特殊仕様のオーダー発注しました♪。



NAC#s Summary report.

どっちも赤系統一なのはキャラ構築つうか偶然のマイブームです笑。どっちもマッチングヘッドだしなんなら「あれ?そういえばきょうNAC♯ギターどっち使ってたけ?」と思わせたらぼくの勝ちです。いえね、いずれの機も大きな不満や不足があるわけでもないし、ゴリゴリのロングサステインが欲しいならテレキャスでいいし、ショートのハム&ロングのシングルで、それぞれちゃんと狙い通りの棲み分け(使い分け)できているのですけど、なんつうかほら、レコーディング等ならさておき通常リハにしろライブにしろギター何本も持っていきたくねえじゃん笑。すると必然、状況の最大公約数的に「今回はこっち使お」ってなるわけで、どっちの守備範囲もより広がると便利でいいなっていう欲張り動機でした。結果的には極微々たる効果であったり一長一短あったり。でも、

あらゆる場面に無難にフィットするユーティリティ性=どんどん薄味の没個性にならざるを得ない運命

だとすると、それは断じて求めていないわけで。癖がある方がキャラも引き立つみたいな。楽器の魅力深淵の如く、ですね。今後もおすすめのパーツ等あったらがんがん試したいと思います。


後日の追記ですが、JAZZMASTERとJAGUARの違いと魅力&欠点比較についてこちらでもう少し詳しく述べておりますのでご興味おありでしたらどうぞ。