エレキギター激安弦比較レビュー
お家で過ごそうみたいに言われつづけ大人しく自宅警備の時間が増える昨今、特に何となくギターと戯れる時間も自然と増えました。すると必然、弦の消費量も激しく増えます。特にぼくは暑がりの汗かきという絶望体質なので伸びよりも先に錆劣化が進行しやすく平均よりも交換周期が早いと思われ。そんなこんな、せっかくの機会なので、世界中のギタリスト達を常に悩ます?最大の消耗品ノンコートニッケルストリングスに関して、いまどきのいわゆる最新激安弦がオススメできるか否か実験的に幾つか試してみましたのでその率直な感想をご参考にどうぞ。
ぼくそもそも弦にそれほど強いこだわりがあるわけでもないので普通にダダリオかアーニーボール&普段は123プレーン弦だけYAMAHAのバラ弦でちょい延命とか笑だったのですが、今回は現在通販でお手軽に入手可能な1セット単価300円前後(まとめ買い含む)の最安値級格安価格帯に限定し、
- FERNANDES / GS-1500L
- PLAYTECH / Premium-EGS
- Aria Pro2 / Electric Guitar Strings
- IKEBE / Electric Guitar Strings
フェルナンデス GS-1500L@330円
日本の老舗楽器メーカーFERNANDES社の弦はゲージに関わらず3セットパックで1000円を切る低価格帯が売りだが、競合も増え、結果的に今回のテストの中では最も@単価が高いという下剋上状態。
使用感
柔らかめでソフトな感触と、新品から既に数日経過したような妙に落ち着いた音色は好みが分れる処だが、柔軟性が高いと捉えると長所。製品精度は高そうで安心感もある。目視での低音弦振動ムラが一番少ない気がしたこともあり、今回中で最も品良くサウンドするイメージ。値段にひっぱられてるだけかもだけど笑。音質:★★★☆☆
耐久:★★★☆☆
感触:★★★☆☆
プレイテック Premium-EGS@308円
現在(たぶん)商社サウンドハウスさんのみで扱うPLAYTECH-EGSにはもうワンランク安くておまけピックも付いた「プレミアムじゃない方@253円」もあるのですが、高級や上質とかいう魅惑ワードに弱いぼくは今回こちらで。イキナリ主旨ぶれてすまん苦笑。
使用感
張りたてから硬めでハリがあるが生鳴りは極端にギラつかない芯の強い印象。そもそもそーいうコシの強いタイプのようで暫く経つと硬さもさらに目立ってくるので好みは分かれそうだが粘りはある。感触はつるつる寄りでなんとなく比較的錆び劣化に強い印象も。音質:★★★☆☆
耐久:★★★☆☆
感触:★★☆☆☆
アリアプロ2-EGS@約280円
今回の中では最も昔からある庶民派ギタリストを支え続けた定番弦 Aria Pro2の上記参考価格は3セット838円から算出。通常の1セット(6本)品だと頭一つ割高だったので、逆に、そもそも良い品物がサービスプライスになっている可能性を期待したい処。
使用感
今回の中では一番ハリとしなやかさのバランスが良い印象だが音色は意外とマイルド方向なのは趣向を選ぶ。弦を弾く感触なども含め気持ちよくどの場所でもしっかりムラなく安定して振動するが、少し錆び劣化しやすい印象があったのと柔軟性が落ちるのも早めかも。音質:★★★☆☆
耐久:★★☆☆☆
感触:★★★☆☆
イケベ Original-EGS@253円
大手楽器屋IKEBEオリジナル銘柄EGSは各通販サイト等で10セット2035円でも販売されておりその場合の1セット単価はなんと驚愕の@203.5円!現在安定して流通している物の中ではたぶん最安値帯と思われるプチプラ弦の代名詞。
使用感
問答無用の安さに釣られ今回ぼくは10セット買いしてみました笑。1本換算約34円。1~6ワンセットでピック約2枚分に迫るというミラクルにまず脱帽。硬くも柔らかくもなきベーシックな感覚で好みや指向をあまり選ばないザ・ニュースタンダードな印象で癖も特徴も少ない。弾き始めると錆び伸び共に劣化は早めの気配でバンバン弦交換する人向きかも。音質:★★☆☆☆
耐久:★★☆☆☆
感触:★★☆☆☆
NAC#'s Conclusion Review.
★のイメージは漠然とした印象なので参考程度ですが、今回の試験で痛感したのは「最近の格安弦はどれも本当に製品精度高くよく出来てるぞ」と目から鱗った。厳密に長期使用試験やブラインド(目隠し試聴)テスト・出力音成分テストなど実検証したわけじゃなく普段使いで1ローテ試しただけだけど、感覚的には張りたてならハイブランド弦と比較してもそれほど大きく満足度が下がる悪印象要素は皆無です。安物でよく言われる指が汚れる問題に関しては、ぼくけっこうマメにレモン配合オイルで拭く癖があるので全く気になりませんでした。例えばピッキング等の力加減が不安定なギター初心者なら細い弦が切れやすいとかは絶対ないとは言い切れないけど、少なくとも今回は著しい劣化の前にぶち切れちゃうとかエンド緩んでほどけちゃうとかの構造的問題は全く無かったし、全体的に変な振動ムラや捻じれ等も少なく好印象。
鳴りに関しても例えば1週間弾き込んで使いたおしたダダリオより張りたての格安弦の方がむしろ気持ち良かったりするわけです。例えるならたぶん、高級弦1日目のキラキラした倍音豊かな響きは薄く2~3日目以降程度から始まるのが格安弦みたいな感じ?イラストで表にするとこんなイメージ。
ゆえに、
ライブ本番やレコーディングなどココ1番ならとりあえず問答無用で良い弦張っとけよとはおもうけど笑
全体練習や進行確認の音合わせリハーサルや自宅等普段使いのプラクティスなら活動維持費用面も重要だし、あまり劣化した弦は指板やフレットも痛めるので怖いよな。てことで「高級弦を我慢して長く使うくらいなら格安弦をマメに交換した方がトータルパフォーマンスや総合満足度も高くおすすめ」かなと。もちろん日々の練習量や演奏頻度にもよると思いますが、少なくとも今回の3品に関しては個人的にはどれも納得の高コスパ良品。値段が1/3だとしても性能も1/3にはなりませんからどうぞご安心を!
ただし…
後に実感した事ですが、ジャガーやジャズマスターなどに搭載されるフローティングトレモロシステムギターの場合、1弦が切れやすくなる可能性もないとは言い切れないので一度に大量買いせず適宜お試しを。
もし百均とかで6本入り1セット100円のエレキ弦とか出たら絶対試してレポしますのでお楽しみに?笑
ちなみに弦の太さで音も弾き心地も違う話ももしよろしければぜひどうぞ。