フェンダー白ストラトのトレモロ調整具合の話
三か月ほど前に購入した白つうか黄ばんだクリームホワイト・ラッカー塗装の「Fender USA Parallel Universe series Volume2 Uptown Stratocaster」のトレモロの設定具合であれこれ試行錯誤に迷い中で苦笑。
というのも、主にストラトキャスタータイプなどに搭載されるシンクロナイズドトレモロシステムは弦張力とのバランス加減でのブリッジの浮かせ具合やスプリング強度でアームの操作感はもちろん、生まれる音色の響きや弦楽器としての性質が結構変わってきます。トレモロ調整のキャラクター方向性バリエーションは大別3つ。
ボディに密着させるベタ付き設定
正調弦した状態でもブリッジ床がボディに堅く密着するフィックスタイプブリッジに近い設定。サドルからの振動がブリッジユニットからも最大限ボディに伝わるためピッキングニュアンス伝達も強く全帯域で太く豊かに鳴る。半音下げなどの変則調弦時ももちろん、演奏中など仮に1弦だけ切れてもブリッジユニットは密着したままの為他の弦へのチューニングやブリッジ高に影響しない。
ベタ付きのデメリット
アップ側アーミングが不可能になりかつアームダウン(フラット♭)操作も固く(重く)なる。
ボディから浮かせるフローティング設定
正調弦した状態でブリッジ後端がボディから少し浮くよう弦張力とスプリング強度のバランスをとる設定。アーム操作が極柔らかで軽く滑らか、かつアップ(シャープ♯)アーミングも可能(音程範囲は浮かせ具合に応じる)。
フローティングのデメリット
弦張力とバネでつり合いをとって浮かせるので変則調弦時は背面スプリング調整も必要で、弦1本切れるだけでサドル高や他弦チューニングなど全てのバランスが崩壊する。弦振動がボディに伝わりにくいため線が細くトレブリーな音傾向になりかつサステインも少々落ちる。が、それがいかにもストラトらしい音と言えなくもない。
ボディに軽く乗せる中間設定
正調弦状態でブリッジが際どくぴったりボディにつくようスプリング強度をバランスさせるベタ付きとフローディングの間のような設定。アームアップは出来ないがアーミング操作は柔らかく軽め。弦が切れてもブリッジ密着強度が上がるだけで他弦チューニングの著しい狂いはない。ブリッジは基本ボディに支えられているのでピックタッチやサステインが落ちる事も少なく、ボディへの弦振動伝達もあり豊かに鳴る。
中間設定のデメリット
ボディへの密着程度の強弱次第だが、チョーキング等で引っ張られブリッジが浮くのでベンドの幅と感覚が変わる。またベンドを素早く戻すとブリッジとボディが接触する実音がコツっと鳴る。
とこんな感じ。
一見、弦高調整面でも有利なベタ付き設定が一番メリット多くデメリット少ない様に見えますが、固く重いトレモロほど使わなくなるものないですし、音の出方もどっちが正解ではなく性質傾向の話なので、演奏性や音色を色々試して好みでチョイスし自由に調整すればいいのですが、個人的には鳴りを極力スポイルせず JAGUAR や Jazzmaster で慣れたフローティングトレモロの滑らかなアーム操作感に近づける中間設定のギリギリを攻めていく感じでひとまず整えようと。
そんなこんな、
あれやこれやイジル流れで増し締めニュアンスも込みで「一度ちゃんとバラシて組もう」と思い初めてジョイントを外してみました。トラスロッドもネック側タイプなのでさして無意味っちゃそうだしべっ甲のピックガード外してもなんもなかったけど笑まあ掃除も含めて。
初バラシなので木くず的な粉?でまくりです。ネックとボディのジョイント部分の精度の高さも流石で一安心です。
で、
1音チョーキングでブリッジが浮くくらいの弱い中間設定だと、素早いチョークダウンで「コツっ」と音が出るので、これを軽減するべく
トレモロブロック側に薄いフェルトを貼ってみます。
木材の方に貼って糊跡が残るとヤダシ。アナログで原始的なアジャスターみたいな発想で。
実際はココは常に隙間があり固いベタ着きでも接触する事はありませんが、狙いは表側のブリッジ床面部の緩衝なので、ココで戻る接地の勢いを少し和らげられないかと。
フェルトを挟んだ状態で、でも弦を張ったブリッジ後端はボディにピッタリ付くくらいの締め具合。で、
見事コツ音解消しました喜
まーピックアップも拾わない極僅かな実音なのだけど、ベンド戻しでコンっと打つ感触もあったからそれがなくなるの気持ち良いよね。隙間テープみたいな柔らかいスポンジなんかでも良いかも。1音半チョーキングでもギリ動かない程度の強め設定にすればそもそも全く問題ないわけだけど、ノーリスクでできるバリエーション対応ね。これでギャンギャンベンド戻せるぜ照。
っていう弱め中間設定でのオススメ超お手軽カスタマイズ伝授でした。
…オマケで話逸れる余談ですが…
年始早々あほほど酔って夜の街をのんびり歩いた(徘徊)記憶はあるものの、意外と覚えのない写真が携帯に大量に記録されていました汗。
富士そばのカレーうどんらへんから曖昧ね。そして住宅街に写り込む謎の発光体なんやねん。もしうるさく騒いでいたら本当にごめん。自分の心の浮き具合も整えます。ほな。