フェンダージャガー使用ギタリストの愛器達

最近Fender-JAGUARの使用頻度高いどうもNAC♯です。ので、動画などでも格好良いジャガーギタリストを見かけるだけで嬉しくなってテンション上がりずっと見入ってしまうわけですが、前「FenderのOFFSET系ギターが良い気分」などで色々紹介したものの、昨今のオフセットボディ系で言うと日本人ミュージシャンにはJazzmasterの方が圧倒的に人気の様子で。ちょっとだけ 不人気 影薄く感じています汗。海外の方がファン多そうね。

確かに短いスケールや独特なコントロールにも少々コツが必要で初心者向きとは言えぬ弾き難さもありますが、扱い慣れると独特の鳴りや幅広い音作りの魅力を発揮する屈指の名楽器だとしみじみ思うわけです。ルックスも妙にパンチ効いてるし笑。


ジャガーを弾くギタリスト

  1. エスクワイヤー(1949年)
  2. ブロードキャスター(1950年)
  3. テレキャスター(1950年)
  4. ストラトキャスター(1954年)
  5. ジャズマスター(1958年)
  6. ジャガー(1962年)
  7. ムスタング(1964年)

の歴史で開発され当初はサーフミュージックシーンを主想定し発売された当時のフェンダー最高級機種でしたが、ロングサステインや深いアーミングが重視されはじめた時代1975~1986年の間に一度絶版。現代ではグランジロック等のハード目な見た目の印象も功を奏し人気復活。そんな、フェンダージャガーをメインに使っているアーティスト達の愛器を紹介します。



カート・コバーン (NIRVANA)


KURT COBAIN MODEL

ぱっと見でコレと言えば彼、ぐらい一般人にも圧倒的に印象の強い左利きギタリスト。特にぼくも使ってる3トーンサンバーストカラーだと疑う余地なく「ニルヴァーナ好きなんですね」って認識されがち笑。過去幾度か出たKURT COBAIN MODELも3TSBのシェアが多いがP/Uは特製ディマジオ2ハムバッカー。P/Uセレクターのトグルスイッチ化と2ボリュームも特異点。ブリッジはチューンオーマチック仕様。マフ系でぶりぶりざくざく歪ませたら右に出る者なし?。元がレフティーだけに。



ジョニー・マー (The Smiths)


Johnny Marr MODEL

フェンダー社より自身のシグネチャーモデルも発売されているイギリスのロックギタリスト。オルタナティブ・パンク系で80年代UKロックシーンを牽引。Johnny Marr MODELではP/Uセレクター3Wayスライドスイッチ化や、ローカットスイッチではなく高音ブーストにシフトした(と思しき)ブライトスイッチが搭載されているとの事。ブリッジはムスタング仕様で白の他に赤も在り。ヨーク付きシングルP/Uは独特の豊かな中帯域があるので更に幅広いテイストに対応可能。



AMERICAN ORIGINAL ('60s)


AMERICAN ORIGINAL '60s JAGUAR

1962年発売当時のUSAスペックを忠実に再現し現在販売されているアメリカンオリジナル'60sモデル。弦落ち現象がしばしば問題視されがちなスパイラルサドルブリッジや、使い処が極限定的な苦笑アジャスタブルブリッジミュート機構を搭載。ブリッジミュートが物理的に出来なくなるブリッジカバーなどがあるのも音楽的時代背景を物語る。現代的な音楽や奏法にはややフィットし難い部分があるものの、JAGUAR の原型という不変的価値が最大の魅力のマニアうっとり垂涎モデル。サーフロックのザ・ビーチボーイズや、ジャズギタリストのマーク・リボー氏が使ったのはこれ系のビンテージ。



JAGUARの選び方のポイント

この通り、ショートスケールネック&フローティングトレモロシステムという特徴的な仕様は概ね共通( ※ 一部ストップテイルピース仕様在り。)ですが、ジャガーの主要なバリエーションを構成する重要なパーツを紹介。音の鳴り方はもちろん弾き心地にも大きく影響を与える要素ですので、ジャガリスト(?)にとって機種選択時の重要なチェックポイントと言えるでしょう。


フローティングトレモロ



ブリッジ

先述の代表的モデルからも解る通り、アーティストモデル等も含めたブリッジ(ボディ側で弦が乗る)部分を大別すると、

  • スパイラルサドル
  • ムスタングブリッジ
  • チューンオーマチック(Adjusto-Matic Bridge)

3タイプに分けられます。「オリジナル始祖のスパイラルサドル」に対して「ウィークポイントである弦落ちを解消したムスタングブリッジ」、さらに「サステイン向上や弦振動をボディに伝えやすくしたチューンオーマチック」と演奏性や鳴りを改善しモダンミュージックシーンにも対応させています。社外リプレイスメントではプロにも評価の高いマスタリーブリッジや変わり種ではローラーブリッジTOMなんかもあります。画像がうちのT.O.Mです。


チューンオーマチックブリッジ



ネック

特別な仕様のコンセプトモデルなどを除けば、ネックはショートスケール(24インチ・610ミリ・フェンダーミディアム)規格がベースになりますが、ネックシェイプや太さは様々ですので握り心地は随時確認しましょう。他ブランドやロングスケールのギター等と比較するとネックは薄め&細めの傾向があり、短さと相まって手の小さめな女性ギタリスト等にもフィットしやすいネックと言えそうです。逆に、指先の太めな人にとっては弦間やハイフレット間が少々窮屈に感じる場面があるかもしれません。また、比較的弦テンション(張力)が弱くなるので、弦ゲージ(太さ)をロングスケール時より1サイズアップした方が音的にも感覚的にも普段のイメージに近いでしょう。


ショートスケールネック

USA・MEXICO製とJAPAN製で規格が違うのももちろんですが、Fender製と同社廉価版ブランドSquier製でもネックポケットプロファイルが微妙に変えられていますので、例えばS製ボディにF製ネックを取り付けようとしても普通に収まらず削り加工等が必要になります。余計に大掛かりな手間がかかるだけで良い結果は生みませんので邪まな考えは禁物です苦笑。



ピックアップ

その他の様々なエレキギターと同様、ピックアップ(磁界で信号を拾うマイク)のバリエーションにも主に、

  • ヨーク付きシングルコイル×2
  • ハムバッカータイプ×2

2パターンがあります。ハイ帯域の抜け良くミドル帯域も豊かにチューンされたヨーク(ギザギザ)付きシングルコイルと、パワフルなロー&ミッドで信号ノイズやハウリング耐性も高いハムバッカーのいずれかから選ぶ事になるでしょう。


ヨーク付きシングルコイルピックアップ



ストップテイルピース仕様

一部の企画モデルやFender JAPAN製・Squierなどでトレモロを搭載しないストップテイルピース仕様もラインナップされており、この場合良くも悪くもキャラクターが大きく変化します。「トレモロは使わないから鳴りやチューニングの安定性をより担保したい」場合や、「ビザール的ないかついデザインは好きだけど出音や弾き心地はもう少しベーシックなモダン寄りが良い」場面などで積極的な選択肢になり得るでしょう。


ジャパン製とメキシコ製の比較

写真→右(3B)がトップ画像や「JazzmasterとJAGUARの違いと魅力&欠点比較」などでも しつこく笑 紹介しているメキシコクラシックスペシャルで、左←側(赤)がフェンダージャパンのストップテイルピース&ハムバッカータイプ。ブリッジはいずれもアジャストマチック(TOM)。見た目や印象はクリソツでもSTPの場合実際鳴る音の特性は少々異なり、テレキャスやギブソンで言うレスポール寄りのぷりっとしたニュアンス傾向が強まります。出したい音色や必要なキャラクターで使い分けるのが理想かと。



あるいは、滑らかなトレモロは使いたいけど、フローティング部の共振を抑えたりショートスケールネックの弦テンション感やサステインを稼ぎたい場合、

バズストップバー

という、ボディなどに一切の加工なく既存ネジに挟む形で取り付けられるリプレイスメントパーツがあるので試してみても良いでしょう。弦張力が上がるのと、USAヴィンテージ等のスパイラルサドル機では弦落ち抑制にもなります。詳しくはJaguar&Jazzmaster パーツ補完計画をご参照。プロギタリストで常時装着し使っている人もいますが、JAGUAR独特の鳴りや音響特性、トレモロアームの操作感も変化しますのでどちらが良い悪いではなく求めるキャラやお好みで。使用の有無でネックの反り具合も変化するのでトラスロッド調整も忘れずに。


リプレイスメントパーツ類

ちなみに画像手前が Buzz Stop Bar で、奥がローラーサドルタイプのTOMです。


ライブ演奏動画

ライブハウスでの演奏動画ユーチューブに上げておりますのでご参考になれば。




NAC♯ likes the music played by Fender guitarists!

車好きのレオが付けたとされる各ネーミングは便宜的にもSEO的にもちょっと微妙にどうかと思うものもあるけど苦笑、フェンダーってその他の、テレキャスも、ストラトも、ジャズマスターも、それぞれ独自キャラ立ってるつうかちゃんと「いかにもそれらしいぽい音」するから好きなのよ。自然とそれっぽい曲やフレーズ弾きたくなる雰囲気醸してくる。し逆に、ザクザク轟音のパワーコードを期待されつつミドルレンジ豊かな甘いクリーンでジャジーなコード奏でて意表を突いたりできる守備範囲の広さもジャガーの魅力。苦手なのはロングサステイントーンと激しいアーミングプレイくらいか。

Yahoo!知恵袋で「あんなもん使えたもんじゃない」みたいなコメントがベストアンサーになってるの見て白目むいたわ汗。60’sオリジナルに限っての話を仰ってるのかもしれませんが、あるいはそもそも志す理想が全く違うかセットアップスキルが未熟なだけと思われ。

始めのうちは弾き易さとかも分からないかもだしどのギター選べばいいかめちゃ迷うと思うけど、楽器に絶対的な正解なんてあり得ないんだし、例えば目標とする憧れのギタリストと同じ系統の機種にしとくとか、あとはもう色とか形とか雰囲気とかも込みでフィーリング重視で選べばOKかなと。漠然と気に入らないと結局あんま弾かなくなっちゃうからね。そんなこんなひっそり  Fender-JAGUAR ゴリ推し回でした笑。

こちらで Fender/JAGUAR 最新ラインナップがご確認いただけます。


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