ムスタングブリッジのサドル逆向きでも良い説
昨年NEWギター(Fender/Mexico/Jazzmaster)を購入してから約1年、どんな音響特性かとか、弦ゲージは何が合うかとか、色々と噛みしめながら弾いてきましたが、ここで一つの結論に至った件があります。
当該のジャズマスターは元々ムスタングのブリッジが載った仕様で、レトロなネジネジサドルタイプのウィークポイントとなりがちなチューニング精度の狂いや弦落ち等の問題を改善したモダンタイプ。ご存じの通り?このタイプのブリッジはトレモロの動きを滑らかにするため前後の可動域を残しつつ高さ調整し易い様ボディに乗っているだけで固定(接着)されていないので弦を外すとユニットごと簡単にすぽっと抜けるわけですが、もしかしてムスタングブリッジの向きはデフォルトではなく前後逆向きの方が何かと使い勝手良いのでは?という説です。
そう思い至った理由は2点。
オクターブチューニング調整の限界点が拡大します。
通常(メーカー工場出荷時)は次の画像の通りネジ頭がテール(後方)トレモロユニット側にくるよう載っています。
が、ご覧いただくと判る通り、特に6弦サドルのオクターブ調整がベタ付きで、もはやバネが無意味どころか邪魔になってるほど限界まで後退させています苦笑。これでも実際のプレイを考えるともう一息後ろに下げたいところで、6弦12フレットを強めに押弦した場合のファ(F)が極僅かシャープ♯してしまいます。バネを取り払ってしまえば丁度良くなるのかもしれませんが。そこで…
この様に前後の向きを逆に載せると全ての弦のサドルがまだ余裕を持ってオクターブ調整出来るようになります。厳密に言えば拡大というより実用域への最適化でしょうか。6弦フラット♭側への調整も出来つつ1弦シャープ♯側にはまだ余裕が生まれ狂いにくく(合わせやすく)なります。弦が乗るサドルコマも「小」「中」「大」の3タイプで左右対称で共通ですし、サドル形状が円柱形(筒状)なのも前後の向きを変えても不具合なく機能する大きなポイントです。
次に、
ネジが明らかに回しやすくなります。
普通オクターブ調整は弦を張った状態で行いますが、主にジャガーやジャズマスターに搭載されるフローティングトレモロユニットは、ブリッジからテールピースに向かって弦が斜めに張られます。この時、テール側にネジ頭があるとドライバーのアクセスと弦がモロに干渉して回し難いので地味にストレスなのですが苦笑、逆向きなら弦が水平にリリースされたネック(ピックアップ)側からアプローチ出来るようになるので断然調整しやすいです。
よりブリッジとテールピースの距離が近く、ブリッジへの弦侵入角度が急になるMustangの方が効果覿面かと想像しますが、実機で実際に試してはいないのでムスタングプレイヤーの方はぜひお試しいただきたく思います。Jazzmasterでは全く問題ありませんが、よりテールへの角度が急な分、ブリッジ後方のへり(壁?)部分と弦が触れ干渉すると鳴りに影響があるかもしれませんのでね。
実際、弦交換のたび前後入れ替えて弾き聞き込みましたが、とりあえず手持ちのメキシコジャズマスでは音質的な変化は皆無と言えますので、これらの理由で逆向き推奨かも。というかまあどっちでもええちゃそれもそうですが、あくまでも色々試した結果ぼくはひとまずこうするよって話ですので、
メーカー基準のデフォルト設定が絶対正義で改変は悪だ!
と思う方はぜひスルースキル発揮してくださいね汗(若干の逃げ道を残すタイプ笑)。世界中のワイルドロッカーの中には、激しくストローク弾いてるうちにピックアップセレクタースイッチ変えちゃう誤操作防止にテープで固定しちゃう方や、右利き用ギターに弦を天地逆に張って左効きで弾いちゃう強者もいらっさるのでこのくらい許してな笑。過日「JAGUAR&Jazzmaster パーツ補完計画」で幾度となく試し比較検証したバズストップバーはジャズマスらしさが削がれるので今はほとんど外しています照。
後に少々調べたところ、有名ギタリストCHARさんはムスタングでブリッジ逆付けしているらしいですよー。
ちなみに、
ムスタングサドルは裏表ひっくり返しても使えます。
全く同じ溝がぐるり一周掘られているので一粒で二度美味しいわけですね素敵。前後入れ替える時の弦の太さが変わる事によるフィッティング感や、長らく使ってちょっとヘタってきたかも?と思ったら、ネジを抜いてコマをひっくりかえしてみましょう。
あとは、
ブリッジサドル素材による音質変化も気になるところ
でぼくのモデルは真鍮(ブラス)製が載ってたけど、チタン製のサドルにするとより発音が明瞭になりサステインも伸びるなどの売り文句を見かけたのですが実際どうなんでしょうね。あとちょっと値が張るけど定番のマスタリーブリッジとかも。現状で不満はないけど、もし今後機会があって試した際はまたブログでお伝えしますね。
その他のギター&機材談話記事もぜひ。