ドミナントセブンスコードの押さえ方
久しぶりに座学回ですが笑、以前「ローコードセブンスフォーム」と題しギターのロー(オープン)ポジションでの各種4和音コードフォームを紹介しましたが、今回は特にブルースなどで多用される「ドミナント7th」に限定して、指板上の各処にあるコード形のバリエーションとその押さえ方を紹介していきます。
今回はキーCのダイアトニックコード五度G7を例題にしますが、各コード型の相関位置を把握する事でキーやルートが変わっても様々なポジションやボイシングで最適なコードをその都度選択して指板全体で弾く事が出来るようになりますので是非覚えましょう!ちなみに基本的な理解はケイジド(CAGED)システムで覚えるペンタトニックスケールの活用法と同様です。
セブンスコードの構成音
広義で言う「セブンスコード」は各四和音全体を指す場合もありますが、狭義ではディグリー五度のドミナントセブンス(ドミナントモーションしない7thも含む)を指します。ここでまず「G7コード」の構成音とその音程を確認すると、
- 短七度:ファ(F)
- 完全五度:レ(D)
- 長三度:シ(B)
- 根音:ソ(G)
となります。メジャーセブンスの長七度が半音下がった「短七度」がドミナントセブンスコードの肝(ミクソリディアンのキャラクタリスティックノート)ですので、根音(ルート)Gに対してどこに短七度F(ソの全音下ファ)があるか意識すると良いです。
E型G7
コードFの6弦ルートを全音上3フレットにずらしたのがE型G7。全て鳴らすとボトムとトップノート両方がG根音なので最も分かりやすいボイシングと言えます。
2弦|-D-|-・-|-・-|
3弦|-・-|-B-|-・-|
4弦|-F-|-・-|-・-|
5弦|-・-|-・-|-D-|
6弦|-G-|-・-|-・-|
3f
押さえ方のコツ&ポイント
人差指のセーハ(指を寝かせ複数弦を押さえる)で「6弦」「4弦」「1・2弦」を鳴らす必要があるため、Fメジャー(三和音)より人差指の腹を意識した確実なセーハが必要。とにかく4弦Fを力強く綺麗に鳴らせるように。
D型G7
開放ローDコードの形を低フレット側へ展開したのがD型G7。ルートの低音弦が比較的低くないのでストローク的コードワークよりはリフやオブリガード等でよく使う型です。
2弦|-・-|-F-|-・-|
3弦|-・-|-・-|-D-|
4弦|-G-|-・-|-・-|
5弦|-・-|-・-|-・-|×
6弦|-・-|-・-|-・-|×
5f
押さえ方のコツ&ポイント
5弦ルートのメジャーセブンス型を各弦細い方にずらした感覚。4弦人差指がルートになるのでストロークする場合は人差指の頭で5弦に触れるミュート(消音)が必要。または4弦根音を省略する場合は「中人薬」3指で押弦。
C型G7
開放ローCコードからの変形イメージがC型G7。完全五度Dが省略されているのでよりスッキリした印象を醸す。テイストやシーンによってはなんなら2弦のトップノートGも省略(スリーノートセブンスボイシング参照)可。
2弦|-G-|-・-|-・-|
3弦|-・-|-・-|-F-|
4弦|-・-|-B-|-・-|
5弦|-・-|-・-|-G-|
6弦|-・-|-・-|-・-|×
8f 10f
押さえ方のコツ&ポイント
ストロークの際は1弦を人差し指の腹、6弦を薬指の頭や親指の側面などでミュート。握り込むロックグリップスタイルで弾けるので馴れると楽かつアドリブソロ等にも織り交ぜやすい。
A型G7
5弦ルートメジャーコードから八度を短七度へ全音フラットさせたA型G7。完全五度のDが2つ、しかも1弦でトップノートするのでポップでキャッチーな印象が強まる。
2弦|-・-|-・-|-B-|
3弦|-F-|-・-|-・-|
4弦|-・-|-・-|-D-|
5弦|-G-|-・-|-・-|
6弦|-・-|-・-|-・-|×
10f 12f
押さえ方のコツ&ポイント
人差指のセーハ3箇所と薬&小指を正確に立てる必要があるため難易度は低くない。中指を人差指に添えると楽かも。6弦は人差指の頭で触れミュート。
G型G7
ローコードセブンスフォームでも紹介したG型G7。開放弦を混ぜるローポジション以外のハイフレット側では6・5弦を省略し3弦をルートと見立てた省略形あるいは四弦も活かす転回形で使う事が多い。
2弦|B||-・-|-・-|-・-|
3弦|G||-・-|-・-|-・-|
4弦|D||-・-|-・-|-・-|
5弦|・||-・-|-B-|-・-|
6弦|・||-・-|-・-|-G-|
0f 3f
押さえ方のコツ&ポイント
ローポジションの場合1弦で立てる人差指に引っ張られて薬指や中指が5弦や4弦に触れないように注意。
ハイポジションで弾く3弦ルート1~4弦の転回形の場合は人差指頭で5弦をミュート。中指と小指がフリーなのでスケールやテンションなど装飾音の追加がしやすい。
ギター指板上の見え方と繋がり方
これらコード5種型がギターの指板上でどの様に配置しているか全体図を使ってご紹介します(※無記述白地部はキーC時の他音階)。下記画像はA4サイズの解像度ですのでプリントアウトなどはご自由にどうぞ。
CAGEDシステムと同様12フレット以降は繰り返し。各コード型が指板上このように連なり分布しているので、楽曲中のコード進行やフレーズに応じて最適な場所や音域やボイシングのコードフォームをチョイスすることが可能です。これはテンションノートが加わる場合でも基本的な見え方は変わりません。当然、キーが変わって(移調)も根音位置(ルート)が変わる(ずれる)だけで相対的な位置関係は変わりませんので、この5種型が瞬時に見えるようトレーニングしよう!‥ちなみに、
ブルースのAコード進行
バッキング弾いてみましたのでブルージーなセブンスの響きと共に美味しいもんじゃ焼き動画をお楽しみください笑
コード進行は定番の12小節
|A7|A7|A7|A7|
|D7|D7|A7|A7|
|E7|D7|A7|E7|
です。2巡目からディグリー
- Ⅰ A7 = 短七度G
- Ⅳ D7 = 長三度G♭
- V E7 = 長三度A♭
を分かりやすく重ね付加していますのでオブリガードやアドリブソロ弾きまわし等はもちろん、ベースラインや鍵盤アレンジのご参考になれば。
面倒になって一部手書きですまん汗@NAC♯Guitar