ズームG11とG5nを比較して分かった使い方&利点レビュー
ZOOMフロアマルチエフェクターG11を買いましたどうもNAC♯です照。
「ZOOM G5n & G1X FOUR で音作りの幅と操作性向上したレビュー」とかつい先日「マルチエフェクターの買い替え時判断が難しい件」などと散々興味薄い素振りしておきながら結局ただのメンヘラの思わせぶりかよですね苦笑。
G5nとG11の比較検証を中心に、導入に思い至った理由や使って実感した利点を具体的に挙げご紹介します。
DSP3倍で音作りの自由度が高い
いずれもエフェクト最大同時使用数は9個(G11はアンシミュ無し時10個枠)とさして変わりませんが、ZOOMのフラッグシップモデルG11のDSP処理能力はG5nの約3倍超にパワーアップしているので、G5nではエフェクターの組み合わせ次第ではDSPが不足しオーバーフローで使えずやむなく簡素化したりプログラム消費の軽い代替案で対応していたケースが、G11ではほとんど無くなります。つまり、音作りにおいてより制約がなくなり自由に作り込めます。(※G6はこの両機の中間位のDSP性能で、最大同時使用数は意外と少なめの7枠。)
旧型ユーザーのフォローではないですがG5nも本当に良いマルチで、ほんの少々の妥協や組み合わせの工夫次第で良い音は十分作れましたし、そんな試行錯誤も他の様々なエフェクターを試す良いきっかけとなり楽しい一面でもあったのですが、まあギタリストの自己満足という意味ではやはりG11でより制限なく使いたいお気に入りペダルが常に使える環境は少なくとも色々な手間やストレスから解放されますし自由度も安心感も高いです。またパッチチェンジ時にも切り替え反応速度向上し音切れ時間が短縮されています。
ちなみにぼくはアンプは出来るだけ実機を使いたい派ですが、DSP性能がパワーアップした事でG5nより積極的に使えるようになった
ZOOMオリジナルアンプモデルシミュレーターが秀逸です。
実在するギターアンプのモデリングではなく架空のオリジナルアンプモデル
- KRAMPUS(クランパス?)
- REDLOOM(レッドルーム?)
- VERVET(ベルベット?)
- MUDDY(ムーディー?)
- 7HEAVEN(セブンヘブン?)
- POLLEX(ポレックス?)
あたりですが、真空管ライクなブルージーでいなたい鳴りのアンティーク系や、カッティングやコードプレイに最適なブライトクリーン系、ド派手なハイゲインジャキジャキ系など、様々なシーンでオイシイ味付けのツボを押さえつつ強すぎない癖で使い勝手の良い出来栄えのアンシミュ&キャビネット。変わり種ではスラップ奏法向けや多弦ギター向けアンプなんかもあります。雑に調整してもちゃんと良い音するので宅録や配信などのライン撮りでは便利でしょう。ただし、アンシミュ使用パッチを切り替える際の音切れ時間は少し長くなりますので、ライブ使用ではチェンジのタイミングや、使い方や組み方を工夫し整える必要はあるでしょう。
フットスイッチが5個ある利便性
G5nやG6のフットスイッチは4つですが、G11ではさらに物理的に1つ増え5つ。並べた各ペダルをオンオフするエフェクトボードモードで組んだ内5種のペダルが常時スタンバイできるので演奏中のページ送りなどの煩雑な操作が激減します。ちなみに途中に組む事になるアンシミュは上部別窓に常時スタンバイされるので下部ペダル表示枠で割愛されさらに便利です。
- ドライブ(歪み系)
- コーラス(装飾系)
- ディレイ(空間系)
- ブースター(出力系)
あたりは普通に頻繁にオンオフ使うスタンダードなので、曲によってもう1種特殊な飾りや飛び道具などを追加する場合などに備えスイッチが5つあると大変重宝します。あるいは、ソロ時やフレーズ毎で歪みの種類を変えるなどのバリエーション変化も1パッチ内で楽に組めます。
その他下段(赤)スイッチのページャーやパッチ送り、チューナー・タップ起動はバンク送りが追加された以外はG5nと概ね共通仕様です。
ただし、他社製オペレーションで便利な「アサイン機能」やMIDIプログラムスイッチャーの様に使えるコントロール「スナップショット機能」はないので、この辺りの仕様がマストな方はそもそもZOOM社製品は選択肢除外かも。この辺もしアップデートで対応されたらマジ最強なのだけど。
ペダル操作
に設定するペダルドライブやボリュームペダル・ワウペダルなどは、通常のペダルと同様、奥側を踏み込むことでオンオフ操作が可能です。
G5nよりG11の方が大きいのに軽い
G5nの重量は約3.4kg。対してG11は約2.8kg。表面積サイズ的にはG11の方がデカいのになぜか600グラムも軽いのです。ミニペットボトル1本分ざっくり20%近い減量。例えば体重68キロあった人が急に56キロになったらびっくりして逆に心配になりますよね?そんな感じ。(G6は1.94kg)
明らかにG5n筐体の方がいかにも頑丈そうでハードなライブにも耐えられるイカツイ雰囲気はありますが、必要最低限の耐久性が確保されていれば日常の運びやすさも大事よね。ジジイには軽さこそ正義だから笑。とはいえ、このあたりはカーボンファイバー風なスーパーカー的デザインコンセプトも含めて賛否両論好みが分かれそうなポイント。
最長辺の横幅が454mmだったG5nに対してG11は495mmと4cm以上拡大しているので「マルチエフェクターに最適な機材バッグ探すの意外と難儀する問題」のようにお洒落なファッションバッグで入るトートやリュックなどを見つけるのは絶望的に至難の業。恐らく本格的な登山用特大バックパック等になってしまうので、今回はハナから完全に諦めてG11専用キャリングバッグ CBG-11 も併せてゲットしました。
しかし専用オフィシャルバッグって本当に収納少なすぎよなあ。改めて思うけど、小ささ軽さによる労力軽減も含めた総合的機能性で考えたら、
G1X FOUR の2台直列繋ぎが現状一番最強かもよ笑。
コントロールやスイッチングに慣れや工夫が必要だろうけど、曲中頻繁に音色変えないなら2台でもG6より全然軽い1.5kg以下だし、合計モジュール使用数10枠だし、2ペダルになるし、さらに電池駆動可能っていう無双ね。
コスパの高いG5nと贅沢仕様のG11
そんなことで、スタジオやライブハウス等アンプ実機使用の音質面での不満で機材チェンジしたわけではないのですが、例えばオーディオインターフェイス使用なども想定すると細かなブラッシュアップも感じられ、まあ値段を考えれば当然ですがライブショー等での使い勝手も含めてあらゆる機能性と利便性がG11優位と言えます。が、新品でも3万円を切ったG5nの高コストパフォーマンスは今なお特筆に値します。例えば曲中の緻密な音色制御が頻繁に必要でなければ、アンプで鳴らす分には大きな不足はありません。強いて言えば、G11の方が解像感や音像感プレゼンスハイ抜けが少々良く感じるので、バンドサウンド内では各所イコライジングやG5nのみ搭載の最終アウトプットブースト&トーン物理ツマミでも微調整出来るので必要十分に対応できます。筐体の頑丈さもG5nの美徳。重いけど笑。
その他G5nにはなかったG11の利点は、ペダルモードで各フットスイッチに対応したエフェクトがカテゴリーで色分け表示されるランプ。
- 紫:ダイナミクス系
- 黄:ペダル系
- 赤:ドライブ・ブースター系
- 水:モジュレーション系
- 青:ディレイ系
- 緑:リバーブ系
などペダルの種類がLED照明で一目瞭然なので目が悪い人でも踏み間違え事故率が減ります。ユーザビリティ考慮され調整ノブも一段低く設計デザインされているのでフットスイッチキャップをつけるか否かも考え中。
なんだか最近マニアばりにZOOMばっかり買ってますが笑、基礎的なオペレーションや各モジュールそのものの音色や癖を知ってるから手間や迷いが少なく音作りも効率的だし、専用管理アプリのギターラボでのバックアップ等も流用で全部使えるからなにかと楽なのよね。トレーニングに便利なリズムマシンや外部入力端子(AUX IN)が付いてるのも大事なポイント。ただし、両機内蔵エフェクトリストは概ね共通でもG5nの方が基礎的な音抜けが悪い(こもり気味な)ので、音作り段階で整音変わってくるのと、音色パッチコピー&ペーストはできないので、全く同じセッティングの再現でもパラメーターや設定を手動で復元し整えていく必要があります。
取り敢えず同じような音がでれば問題ないのですが、基本性能向上と自由度が上がったぶんこれまであまりしなかった使い方やほかのモジュールちょっとずつ試してみても良いかもっていう夢広がるね喜。暫く自宅に引きこもりそうです。
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ファームウェアアップデート 2012/12/24-V2.0
後日追記ですが、今年クリスマスイブにG11用最新ファームウェア(V2.0)と Guitar Lab(V7.2)のアップデートが公開されましたね。後発ベース用マルチB6をフィードバックしたベース向けチューンが中心ですが、ユーザーパッチやIRのメモリ数拡大、新プリセットパッチ200件追加、ロック系にオールマイティなオリジナルギターアンプモデル「SteamRoll」や一部ギター向け新モジュールもあるようです。(気づいてなかっただけかもですが笑)
B6の評判上々なだけにどうブラッシュアップされているか楽しみです。定期的なアプデが施され常に製品品質を高く維持する姿勢もズームマルチの良い点よね。