マイナースケール対応ダイアトニックコード&インターバル
メジャースケールとは違い、マイナースケールには3種類あると聞いた事くらいはあっても、全て備に把握しているという方はそれほど多くはないかもしれません。基本的にスケールはコード進行と連動して使い分けるため使用頻度としてはそれほど高くないものも含まれますが、ギター演奏だけでなくボーカルなどの主旋律でも使われる音楽家の共通言語ですので楽器パート問わずミュージシャンなら概要くらいは把握しておくべき基礎知識と言えるでしょう。
ここでは各種マイナースケールのインターバルとそれに対応するダイアトニックコードを一覧としてまとめます。過去記事と重複する内容もありますが、少し違う切り口からの認識を加えより理解が深まる事もあると思いますので良ければお付き合いを。コードのMAJOR表記は「△」とし、画像中の音程記号は、
- ●=全音
- ○=半音
- ★=1音半
になっています。
ナチュラルマイナースケール
通常チャーチモードスケールの第六モードである「Aeolian・エオリアン」の別名がナチュラルマイナースケール(自然的短音階)です。※6度をマイナー1と解釈しても相関関係は変わりません。メジャー(第一モード Ionian・イオニアン)スケールに対する平行調であるため比較的馴染み深いでしょう。
インターバル
全半全全半全全
ダイアトニックコード
- Ionian(イオニアン):△7
- Dorian(ドリアン):m7
- Phrygian(フリジアン):m7
- Lydian(リディアン):△7
- Mixolydian(ミクソリディアン):7
- Aeolian(エオリアン):m7
- Locrian(ロクリアン):m7♭5
ハーモニックマイナースケール
和音の響きに重点を置き1度への終止感をより強く得るためにナチュラルマイナーの第七音を半音上げたのが「和声的短音階」と呼ばれるハーモニックマイナースケールです。その結果第六~七音間の音程が増二度(★1音半)になるため、この音階で旋律を奏でる場合は音列に少々気を使う必要があると言えます。
インターバル
全半全全半(1.5)半
ダイアトニックコード
- Harmonic Minor:m△7
- Locrian Natural6:m7♭5
- Ionian♯5:△7♯5
- Dorian♯4:m7
- HMP5B:7
- Lydian♯2:△7
- Altered♭7:dim7
メロディックマイナースケール
ハーモニックマイナーで生じた旋律の不自然さを解消すべくナチュラルマイナーから第七音に加え第六音も半音上げたのが「旋律的短音階」メロディックマイナースケールです。ネックだった増二度間の音程は消え音階のつながりが改善されるため、メロディーではこちらの方が使用頻度は高いです。この第七モードがスーパーロクリアンとも呼ばれる定番のオルタードスケールです。
インターバル
全半全全全全半
ダイアトニックコード
- Melodic Minor:m△7
- Dorian♭2:m7
- Lydian♯5:aug△7
- Lydian7th:7
- Mixolydian♭6:7
- Locrian♯2:m7♭5
- Altered:m7♭5
マイナースケール音程比較
ナチュラルマイナースケール
ハーモニックマイナースケール
メロディックマイナースケール
※メジャースケール
オクターブ中構成音の赤文字がナチュラルマイナー(エオリアン)スケールから変化している音です。こうして並べて比較してみると1音ずつメジャー(イオニアン)スケールに近寄っていく事が分かります。メロディックマイナーに至ってはイオニアンと三度の短長(m or M)しか違わなくなるのが短調ベースの中にほのかに漂う明るさの要因で、対応コード「1度m△7」の響きにも表れていますね。
NAC's Roundup
3×7=計21音階とその該当ダイアトニックコード。これだけ把握していればいわゆるポピュラーミュージックと言われるジャンル楽曲には概ね対応できます。インターバル比較画像などを見ても分かる通り一定の規則性をもって展開しているので、これら全てのスケールを個別に丸暗記するというよりも各々どう変化し成り立っているかを理解し随時導き出す方がより実践的で賢明と言えるかもしれませんね。
と、
そんなことを考えながらだんだん酔っぱらってハーモニーが気持ちよくなりカラオケでマイナー曲をメロディアスに歌っているところ知らぬ間に隠し撮りされてましたこんちくしょう汗。
ナチュラルに油断ならぬわほなまた。
やっぱりカラオケはnigate@nac_guitar