リバーブの種類とおすすめの使い方解説


当ブログ読者の方は既にお気づきと思いますが、最近ぼくはずっと ZOOMのマルチエフェクターG11 中心でギター音作り全体を完結させています。機材の荷物が減らせるとか、トラブルリスクが最小限で済むとか、そういう利便性面もそうですが、これだけ高音質になるともはや足元ペダルではなくアンプやスピーカー側の性能や状態の方が最終的な出音に対してより重要なファクターになり、エフェクターがデジタルかアナログかなど些末な要素になってしまって。ブラインド比較テストで違いの聞き分けは出来たとしても、それがモデリングか否かを明確に聞き当てる自信は(特徴的なペダルを除けば)正直ありません苦笑

加えぼく結構空間系の響きにこだわるクチで、どんなにドライ寄りなニュアンスのロックやパンクでもリバーブを全くかけない事は絶対ありません。入力原音を同時に録る事はあっても音作りとしては薄らでも必ず使います。し、ライブなどではほぼ通しでかけっぱなしです。

なんならカクテルかコーヒーかの如く3種類ブレンドしたいくらいで笑。

そんななか様々な音響機器も作るメーカーズームのマルチはモジュレーションやリバーブも好印象だったのです。コスパでいったらたぶん世界最強?です。まあ、すごく色々試して徹底比較検証したわけでもありませんがG11のクオリティ面も含めて僕は概ね満足できてるよって話ね。(※他社のマルチやアナログペダル派を否定する意図は全く無い旨お含み置きを。)

ギタリストによっては「リバーブなんていらないよ」と言い切る方もおられますが、たぶん、それを正しく解釈するなら「ペダル段階で加える必要性は薄い」意なのだと(推測)思います。アンプの出音をマイクで拾うその間にも僅かなエアー感は生まれますし、PAを通してスピーカーで鳴らした会場で既に一定の反響が否応なく加味されますので、例えばライン録音をヘッドホンで聞く環境で完全ドライがベストと考えているわけではない(そういう楽曲コンセプトやアプローチの場面は良い)のではと。

さらにスタジオなどに置いてある大きなギターアンプにはイコライザーやリバーブも付いていますし、ディストーションなどその他モジュールの方が音色に与える影響や印象値は大きいかもしれませんので、有り体に言えば「後回しモジュール」になりがちなのかもしれません。けれど、特に原音や薄化粧のクリーントーンにおいてはコンプレッサーなどと同様、派手さは少ないもののサウンドの品質を大きく左右する重要な要素と思っています。

てことで

興奮して前置き壮大でしたが苦笑、今回は大好きなエフェクター「Reverb」についての基礎知識や解説を。



REVERBのイメージ画像


リバーブの種類

マルチエフェクター等なら既に数種類の定番リバーブが内蔵されていますが、物理的スペースも限られるペダルボードに何れか1つ組み込もうと思ったらどれが良いかかなり迷うと思いますので、使い分けやチョイスのご参考にスタンダードなギターリバーブの種類やその特徴を簡潔にご説明します。コンセプトでまず2系統に大別され、その中でも様々な特色のモデルが存在します。高級ペダルではディレイなどと併せて複数種同時設定使用が可能なものもあります。尚、これらはベースももちろん、ボーカル用としても使えますしより最適化された専用機も概ねこれらの種類になります。


初期反射重視タイプ

原音に対し、アタック初期の反響や原音の質感の付加に重点を置いたタイプ。

Spring(スプリング)

ギターアンプ定番のバネを用いたスプリング式リバーブ。硬質でキラキラした質感が特徴。

Room(ルーム)

一般的な部屋鳴りの自然な空気感。音色変化も少なくごく自然で汎用性の高い響き。

Chamber(チャンバー)

チャンバールーム(音響スタジオ)の反響。クリアで明瞭な存在感のある響き。


カリンバ

ちょっと違うけど笑ナチュラルに極小プレートリバーブ効果も兼ね備えていると言えなくもない?ハンドオルゴールカリンバ心地良い音すんで。


後期残響重視タイプ

原音に対し、発音後半の残響音や空間的広がりの付加に重点を置いたタイプ。

Plate(プレート)

大きな鉄板を振動させたメカニカルリバーブ。ボーカル含め様々な楽器に適す。

Hall(ホール)

大きなコンサートホールの空間音響。楽器を選ばず音色変化も少なめな万能残響。

Church(チャーチ)

ホールより反射も残響も大きな教会の様な響き。明るめで幻想的な深いウェット感。



NAC HALL

あとこれはビアホールね笑。他にも極日常的な空気感の「Air」や、初期反射音のみ抽出する「EarlyRef」などありますが、個人的には「人の少ない地下鉄ホーム」とか「ガラ空きのトタン倉庫内」とか「かくれんぼ中の土管の中」とか「コンクリート打ちっ放しのエロいお洒落部屋」とかもっと色々変なのあっても楽しい気がするよー。



リバーブのかけ方

ここでは楽曲全体のミックス的使い方ではなく、ギタリストの音色エディットとしてのリバーブの使い方に重点を置いてご説明します。ギター単体のライン録りであれば、初期反射と後期残響を組み合わせ織り交ぜるのが最も自然な音作り法と言えますが、声やその他楽器等とのバランスや、物理的にも様々な制約等が生じると思われますので、現実的には楽曲のイメージやアレンジ・フレーズなどに応じて最適なものを1つ選択し適宜調節して使う事が多いでしょう。


リバーブの主な設定項目

リバーブエフェクトでのスタンダードな設定項目とその効果は次の通りです。

PreDeray(プリディレイ)

原音入力から初期反射を始める時間設定。ギターピッキングやボーカルの発音そのものに被せない程度遅らせるのが常套。長くすることで空間的な距離感も演出可能。

Decay(ディケイ)

初期反射から後期残響の減衰の長さ設定。長く響かせる事により空間の広がりや滑らかな質感の演出が可能だが、次の発音に被り過ぎると濁りの原因ともなる。

MixBalance(ミックスバランス)

入力原音に対するエフェクト音量の混ぜ具合設定。ドライ(直接音)とウェット(効果音)の全体的な比率の調節。


リバーブ設定項目イメージ

上図は「Input」が入力原音、「Reverb」が付加される効果音で、ホールリバーブ50%ミックスでの各設定項目の調整イメージですが、設定時まず考えるべき要素は、

  • どんなリズム&テンポのフレーズを弾く音色か。
  • バンド全体内でどんな役目を担ったフレーズか。

の2点です。

次のアタック(弦を弾く瞬間)時に前の残響音が被りすぎるとギターフレーズ自体の輪郭がぼやけてしまう事はもちろん、コード感やバンドサウンド全体の曇りや濁りの原因になりますので、フレーズの譜割りや時間的間隔に適したディケイ設定とミックス量が求められます。目安は BPM値 を参考に4分~2分音符程度から。

また、パートアレンジによっては必ずしも演奏全体に音色を馴染ませなければならないという事ではなく、意図的にドライとウェットに差をつけてギターフレーズを分離させたり、遠くで鳴っているような距離感や空間的広がりを演出する場合もあります。

リバーブの使い方においても重要なのは狙った意図や目的に応じて最適化する意識や姿勢と言えるでしょう。


エフェクター接続順

セオリーは各ペダルの最後尾と言えますが、リバーブ効果音にさらにエフェクトを効かせる特別な手法もあり得なくもないので、必ず一番最後でなければならないという事はありません。


リハーサルスタジオと客入り後のライブハウスでは響き方が大きく変わる

点も注意が必要です。狭いリハスタではしっかりウェットに聞こえていたのに、大入りの客席では同じ設定でもかなりドライに聞こえる事も珍しくありません。箱の形状も異なる上、人だかりやその他様々な設備が音響スタジオの吸音材のような役目を果たし特に反響と残響を散らしてしまうからです。響き方や聞こえ方の変化傾向は会場によって様々ですが、状況判断に自信がなければ現地に慣れたPA担当に相談しても良いでしょう。


録音機器によっても変わる音質

録音時に使う器機の特性も把握しておくべきです。機種によっては強いコンプ感がかかったり、残響をノイズとしてリダクション(カット)処理してしまうものが少なくないので、音楽を記録するモードのある、あるいはそれ専用の機材で収録するのがベストですが、用意できない場合は音色チェックとしてはあまり参考にしない方が良いかもしれません。お手軽に高音質録音できてオススメなのは「リハ録音のススメ:MDプレイヤーって無いの?嘘だろおい泣」でご紹介した「楽器演奏モード」や「カラオケ録音モード」のあるICレコーダーです。


ディレイとリバーブとエコーの違い

ギタリストは大抵みんな大好きなディレイですが、リバーブは主に滑らかな初期反射と高密度の残響音を付加するのに対し、ディレイは「より明瞭な反射音のみを度々繰り返す」やまびこ効果に特化しています。故に、硬質で狭い空間を押し広げ目立たせるようなイメージとなり、各パラメーターの設定次第ではありますが、基本的なコンセプトとしては音色を広げサウンド全体に馴染ませるリバーブとは目的も用途も効果も異なります。比較的音像の明確な反射音を付加するためディレイの方がよりBPM値に対してシビアな制御が求められます。


ディレイとリバーブの差異

また、一般の方により馴染みのある総称「エコー」は厳密にはディレイの事ですが、リバーブもブレンドされたウェットな響きの総称として使われる事が多いでしょう。



NAC♯ギターサウンドメイク方法

個人的にはスタンバイのエフェクトブロックに余裕さえあれば本当に3種類くらい混ぜて使いたい処ですが笑、現実的にはホールやプレートなどの「ロングディケイを薄めにブレンド」が基本で、楽曲イメージやアレンジフレーズに応じてスプリング等を「濃く短め」にしたり、ショートディレイのような「ダブリング効果的な薄く素早いベリーショート」を足したりします。モジュールの選択は設定の限界値や質感のニュアンスで選ぶ感じかと。こんな時もルーパーを使った音作りが便利ですよー。

3ピースなど少人数バンドでは特に、上物の広がりや厚みを補うべくリバーブやコーラスやディレイを濃く深めにし装飾したりしますので、「こんな感じを出したい時は何を使ってこう設定する」とある程度使い分けるシーンと目ぼしいお気に入りを把握しておくと様々な状況にスムーズに対応できるでしょう。

ちなみに現状ぼくがスームG11で一番使用頻度の高いリバーブはG5nからあった「HD Hall」です。高密度で高品質、明るめの音色EQもちょうどよくかつ超ロングテールも可能で曲間をつなぐような特殊な使い方も出来る(本番でしたことないけど)おすすめリバーブですよ。高品質故にメモリ食うけど汗。


どこかのなにかで

練習ではリバーブは使わない方が良い

とか見た覚えがありますが、そんなもん

程よく両方練習した方が良い

に決まってんだろなんで両極端やねん汗。「練習では歪ませない方が良い」とか思わないでしょ笑。まあ、完全スーパードライで如何に滑らかに繋ぎ弾ききるか感覚や感触をトレーニングする必要はあると思いますけど。大事なのは両状態の具合を知って「これすればこんな感じになる」と認識把握する事でしょう。
練習がんばろなあ。



!そういえば先9月の

ブログアクセス数がさらに過去最高

を大きく更新し先月比130%超の「月間1万6千PV」こえてきました。これリバーブつうかもはやブースターやで。アドセンスありがとう広告もガンガン踏んでね笑。


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最近のアクセス伸び率ぱねえのだけど、Googleアナリティクスで見ても理由や原因がイマイチ分かりません汗。たぶんDiscover要因だと思うけれど、一度ちゃんとアナライズしてみMAX。
ほなまた。

このままいったらギターブロガーなる@nac_guitar


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